2012年2月21日火曜日

"私のケンモアには、何歳ですか?"

カナディアン・ロッキーで

思い出は自然から、感動と感激は出会った人々からもらった

 

「相手は人間だ。なんとかなるさ」と思って一ヶ月間のカナダの旅に出かけた。帰ってきたら友人が「相手も人間だからなんとかなったんだろう」と言った。ところがどっこい、そうはいかなかった。はじめての海外。しかも自炊。どっぷりカナダに浸かっての生活である。それだけに諸事不明なことが多く、困惑の連続であったが、それを吹き飛ばしてくれたのはカナダの限りなく美しい自然であった。例え苦労が重なっても自然が思い出をくれると思った。そして山や渓谷、湖の周辺を歩いたがその度に出会ったカナダの人から「Hello」と声を掛けられた。そして、やがてより生活を豊かに、そして楽しくするためにはことばの壁をなんとか低くすることが大切だと感じて、宿のジョスリンさんに月曜日から金曜日の朝8時30分� ��ら一時間の英会話レッスンを受けることにした。僕は大昔に覚えた英単語が少しずつ甦ってきた。妻は日常の買い物、行動に必要な表現を教えてもらった。たった三週間では会話が上手になるとは考えられないが、ジョスリンさんのレッスンで積極的に話しかける勇気をつけていただいたのが成功して、妻の意欲が一変し人との交わりを楽しみ持ち前の行動力を発揮して僕は引っ張り回されることになった。

 

鉄製口琴が人との出会いを演出してくれた

 野原で山で川原で等々、しばしば愛用の口琴を鳴らした。僕の少し大型の鉄製口琴ホムスがビュンー、ビュンーと低い音を立てるとすぐ何人かの人が不思議そうに眺め、"nice sound!"と声をかけてくれた。また、"Where do you from ?"と聞かれて話が弾むこともあった。口琴が人との出会いのキッカケを作ってくれることがあった。

 

 出会った人々

 

 フランス人夫妻

 バンフ近くの Bankhead にある廃墟となった鉱山跡で出会ったご夫妻にありったけの英語を使って質問をして説明をしてもらったらなんとフランス人で驚き、たまげた。パリから60キロ離れたところから来たとのこと。奥さんは日本へ行ったことがあることも知った。四人で大笑いしたが同じ日にご夫妻と三度も会って意気投合して Mr & Mrs Blum と別れを惜しんだ。

 

 オーストラリア人観光団

 この旅で活躍したのは僕が演奏する口琴であった。たくさんの人から「nice sound」と声をかけてもらった。が一番印象深いのはオーストラリアからの観光客だった。その一団は僕を取り囲んで演奏を聞いてくれて「旅の思い出になった」と語ってくれた。

 

 ドイツ人夫妻


あなたの白い服は白を取得する方法

 ジャスパーのウィスラーズ山の稜線からジャスパーに点在する湖を見ようと登っていったら、ドイツ人夫妻に話しかけられた。聞くと昨日、僕が鳴らしていた口琴を聞いて、不思議な楽器があるものだと驚き、声を掛けたと話してくれたのには感激して、二人でなんとか話をわかってもらおうと努力して話した。ご夫妻もまったく同じ気持ちのようでなんだかたくさん通じたような気がしてならなかった。別れは互いの国のことばで「さようなら」を教えあって、互いの国の「さようなら」のことばを言って、握手と抱き合って別れた。この人の握手の固さに感情がひしひしと伝わり、僕も固く固く握手をして思わず涙を流した。

 

 互いにわかりたい、わかってもらいたい、という気持ちがあればことばの壁が低くなることを感じさせてくれたのはカナダの人々であった。

 そして、カナダの人々の豊かなもてなしの心がロッキーの山々をより美しく見せた

 

@ 幼い子どもを連れたお父さん

 キャンモアのボウ川沿いの遊歩道を散歩していたら、太ももほどの木がなにかに齧られ今にも倒れそうになっていた。一瞬「ビーバーかな」と思ったが確かめなければと通りかかった幼い子どもを連れたお父さんに僕たちのわからないことを少ない語彙と手振り身振りで聞くとこの人はゆっくりと丁寧に説明してくださった。そのときはじめて互いに「わかりたい、わかってもらいたいという気持ちがあればことばの壁は少しは低くなるのでは」と実感し、この人に深く感謝した。

 

A 碑を探してくれたおじさん

 キャンモアは北海道の東川町と姉妹都市であり、その碑が川筋にあることを知っていたので探しに行った。なかなか見つからない。近くにおられたおじさんに尋ねたがこの人もわからないらしく、人に尋ねてくださった。そして、碑の場所まで案内してくださった。そして「日本人?」と。僕たちは「一週間前に日本から来た」と答え、「キャンモアは素晴らしい町だ」とことばを変えて言った。この人の親切と喜びが胸にしみこんだ。

 

B ジョンストン・キャニオンの三人の青年

 三人の若者に木の名前を教えてもらった。この三人は力を合わせていくつかの日本語を話してくれた。そして大切なことばは「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」と言ったのには驚いた。

 

C 白髪のお年寄り


プレイスマットの作り方

 ペイト・レイクを見て雪の積もった道を下ってきた。そこへ白髪のお年寄りが家族とともに登ってこられたので、「あと五分です」と言った。するとお年寄りが「自分は80歳だ。もう登れない」と。そこで僕は自分の頭とお年寄りの頭を指差して「ともに白髪だ。行けますよ」と言った。その人は僕に

「何歳?」と聞く。僕が「65歳です」と言ったとたんにお年寄りは「私より15歳も若いではないか」と。その声の大きさもあってみんなで大笑い。カナダのお年寄りとこんな楽しい話ができるなんて思いも寄らなかった。 

 

D 展望台で出会ったご夫婦

 カナダの人に「写真を撮っていただけませんか」とお願いしたら、日本語で「よろしいよ」と返ってきた。「日本語が上手ですね」と言ったがそのことば以外はあまり知らないようだった。しかし、たったひと言でも日本語で返ってくると無償に嬉しくなって話がはずむ。つたない英語でもそれを聞いて喜んでくれる人が多いのではないかと教えられた人だった。

 

E 日本料理店で食事の青年

 キャンモアにある日本料理店「武蔵」で食事をしていたら四人の若者が入ってきた。あいにく店の人が奥に入っていたので、僕は手で示して、日本語で「どこでもいいから座ったら」と言った。一人の青年が「ありがとう」と日本語で言った。座席からいくつかの日本語が聞こえてきたので拍手をして「日本語が上手だ」と言ったら、またその青年が立って「ありがとう」と言った。僕は「I can't speak English」を連発する。すると、「問題ない、大丈夫」とか「うまいじゃないか」と返ってくると妙に安心したり喜んだりである。そのことばを母国語とする人に褒められるのは嬉しく勇気が湧く。

 

F 山で出会ったおばさん

 登山の途中、下山のおばさんに会った。「疲れました。あとどれぐらい時間がかかりますか」と聞いた。よほど変な英語だったのだろう。「Where do you from ?」と聞かれたので「日本から」と言ったら驚き、そして両手で僕と妻の手を握って心の底から「カナダの旅を楽しんで欲しい」と言われたのに感動して妻は「カナダの人は素晴らしいなあ。あんな人に会うと山がずっとよくなる」と言った。

 

G ガソリンスタンドのにいちゃん


家はあなたの物語は、印刷を開始する場所です

 「regular full 」と注文したが発音不明で分からないらしい。車を降りて、レギュラーを指差して、手のひらへ「full 」と書いた。とたんに「ごめん、ごめん、分かった、わかった」と言った。彼の注油を見ていると端数単位にならないようにぴったりと入れることに誇りを持っているらしいことがありありと現れている。ピッタリと入れたので「Great !」と叫んだら、彼は大喜びであった。これではじめ「regular full」と言って通じなかったいやな思いが吹っ飛んだ。彼も旅の途中に出会った忘れ得ぬ人である。

 

H カメラ店の女性店員

 妻はデジカメを愛用している。140枚ほど入るメモリーがすぐいっぱいになってしまう。そこで妻はなんともかとも言いようのない英語?を使って写真店でCDとプリントをしてもらっていた。店へ行くたびに若い女性店員が写真を点検しながら妻に「これはグリズリー・ベアーではないか。あなたはラッキーだ」とか、「ブラック・ベアーの写真も撮ったのか」「この写真は素晴らしい」とかlucky , wonderful , nice を連発してくれる。妻はすっかり嬉しくなって、そして大胆になり英語まじりの日本語で話をして会話を成立させる。それを横で聞きながら僕は彼女に「熊も美しかったが、あなたはもっと美しい」と言った。すると彼女は大喜びで「Thank you」と。彼女は妻にとって動植物や山、湖など出会ったものの価値を高めてくれたよき人であった。

 

I 3000メートルを目指す青年

 キャンモアのレディ・マクドナルド山の登山口に「この山塊の上を早春と晩秋に数千羽のゴールデン・イーグルが渡っていく」と説明してあった。この山へ登ることにした。2300メートルのParaglider Laaunch に二人の青年がいた。カメラのシャッターを押してもらったついでに何をしているのかを聞いたら、驚いたことに「ボウ川から上昇気流が吹き上げてきたらパラシュートで3000メートルの高さまで昇るのだ」と言った。彼らは現代の Young Golden Eagle men であった。しばらく一緒に風を待ったが吹き上げてこなかった。下山の時間になった。僕たちは下から大声で「Good Luck」と叫んだ。彼らは「Thank You」と叫び返してきた。忘れられぬ青年であった。

 

感謝、感謝

  B&B Monarch Josclyne さん


 Bed & Breakfast Monarch に滞在させていただいて、主婦のJoscelyne さんにたいへんお世話になった。特に英会話のレッスンで、出会った人々に話しかける勇気を与えてくださったのが生活を切り開く原動力となった。妻は互いの主婦としての立場から思うことを必死に伝え、聞き、僕はカナダの人々の考え方や歴史までも尋ねた。朝一時間の学習をその日に生かすことを心がけて出かけ、翌日その成果を報告するのが日課だった。Cafe Books で見つけた、大人から子どもまで幸福とはなにかについて語れる本 The Giving Tree を購入してきて、二人の子どもさんに感想を聞いてもらったこともあった。諸事不安の中にありながら一ヶ月間を過ごすことができたのはジョスリンさんのお蔭であった。帰国してからはメールが飛び交い、妻とジョスリンさんは「2005年の秋に再会しよう」と約束が成立したらしい。そのときまでに二人はきっとダイエットの成果をあげているだろう。

 

ドリーム・キャッチャー

 たくさんの店でドリーム・キャッチャーを売っていた。はじめ、これがなになのかが分からなかった。説明を読んだら、こう書いてあった

 THE DREAM CATHER

All dreams are caught n the web. Bad dreams are caught and destroyed at the first light of dawn. Good dreams are released and find their way into the sleeping one.

先住民族のインディアンの人たちは、ドリーム・キャッチャーは悪い夢を捕まえて夜明けの光りで壊し、よい夢を通して人々の枕元へ送ると考えていた。ロマンチックで魅力的な話に心奪われた。カナダにいる間いい夢ばかり見た。きっと、自分の心の中のドリーム・キャッチャーのためらしい。

 

Bow River との別れ

 30日間過ごしたボー川の谷間とも別れるときが近くなるにつれて、少々感傷的になり、歌"Red River Valley"をよく歌った。

From this valley they say you are going

We will miss your bright eyes and sweet smill

For they say you are taking the sunsine

That has brightened our path for a while.

2

Come and sit by my site if you love me

Do not hasten to bid me adieu

But remember the Red River Valley

And the cowboy who loved so true

3

Won't you think of the valley you're leaving

Oh how lonely , how said it will be !

Oh think of the fond heart you're breaking

And the grief you are causing to me

4

As you go to your home by the ocean

May you never forget those sweet hours

That we spend in the Red River Valley

And the love we exchanged mid the flowers .

 

 

 



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